実例集


ハンディをものともせず、人の才能を活かし、皆で共有することを目指す

企業名 グッドシェア
代表者名 代表 市原 由加里 
所在地 〒907-0004
沖縄県石垣市登野城1249-12
(TEL:0980-82-0558/FAX:0980-82-0558)
URL http://ameblo.jp/blogree041205/
http://good-share.net/
E-mail goodshare@etude.ocn.ne.jp
業種 デザイン制作、講座・講演の企画運営
創業年月 平成21年11月
従業員数
(代表者除)
1人
平成20年度経営革新塾、平成21年度創業塾受講

 ハンディを持つ2人が二人三脚で事業展開
 職業訓練から経営革新塾、創業塾へと学びの機会を活かす
 講演会開催に向けて活動開始
 良いものを皆で分かち合うことが事業目的
 経営理念をより大きな形で実現するために

1.ハンディを持つ2人が二人三脚で事業展開

市原由加里さんと湖城公貴さん 「グッドシェア」は、代表・市原由加里さんと湖城公貴(こじょうひろき)さんが二人三脚で事業展開しており、現在の主な事業内容は、名刺やチラシ、ポスター、看板等のデザイン制作と、講座や講演の企画運営である。
 市原さんは身体に麻痺が残っている。湖城さんも強い弱視という視覚障害がある。2人とも障がい者ではあるが、そういったハンディを感じさせないくらいパワフルな活動を展開している。
 デザイン関連については、市原さんのブログや人脈、さらにその人脈を通じたクチコミなどで仕事を受注し、湖城さんがデザイン制作を担当している。
 この湖城さんの名刺等のデザインが、顧客の特徴を的確かつシンボリックに表現できているということで、とても評判がよいのである。そして、それが実現できるのも、市原さんと湖城さんのチームプレイの賜物であるといえる。
 名刺のデザインを考えるにあたり、まず市原さんが顧客と面談し、その人がどんな想いや理念を持っているか、どんなキャラクターでどんな活動をしているか、どういうことを目指しているかをヒアリングし、それを湖城さんに伝える。湖城さんは、その内容を元にパソコンでイラストレーターを使い、デザインを創り上げるのである。弱視のため手作業だと見えないが、パソコンであれば画面の光によってある程度見えるという。
ロゴ2  市原さんは、以前から人の長所や才能を見抜く力に秀でていたため、顧客の魅力や特徴を的確に湖城さんに伝えることができる。湖城さんは、市原さんが伝えた内容を、その優れたセンスで見事にデザイン化しているのである。湖城さんは、市原さんから顧客の情報を聞けば、すぐに頭の中でデザインのイメージが浮かんでくるという。まさに2人のチームプレイであるといえよう。
 湖城さんは、平成21年12月に、ハローワークの紹介によりグッドシェアで働くこととなったのであるが、市原さんは湖城さんの素晴らしいセンスと才能に惚れ込み、ぜひこの才能を活かせるような事業展開をしたいと考えたのである。
 グッドシェアのもう一つの事業の柱である講座の企画運営は、最近取り組み始めたところであるが、第一弾として平成22年2月10日に「ゼロからの創造」をテーマに石垣市健康福祉センターで講演会を開催した。今後もいろいろな講演会を企画、開催していく予定である。

2.職業訓練から経営革新塾、創業塾へと学びの機会を活かす

経営理念

 市原さんは以前、12年間小学校の教諭をした後、9年間小中学生向けの塾を経営していた。しかし平成18年7月、脳出血で倒れ、半年間入院することになる。病気は治癒したものの身体に麻痺が残ってしまった。そのため、塾は閉鎖したが、引き続き指導してほしいという数名の生徒だけに勉強を教えつつ、リハビリ生活を続けていた。
 そのうち、何か他のことをしたいと思うようになり、講習会に参加したり、いろいろな人に会いに行くようになった。そんなある日、知人がハローワークに行くということで、一緒について行ったところ、ハローワークの担当者から八重山地区初の障がい者向けの職業訓練が新たに始まることを教えてもらう。 経営理念2こうして、平成20年10月から12月まで、身体障がい者授産施設である大浜工房に通うこととなった。職業訓練を受けるうちに、自分でも何かできるのではないかと考えるようになったという。


 この大浜工房で石垣市商工会が主催する経営革新塾のことを教えてもらい、12月からは経営革新塾も受講する。経営革新塾では、発想の転換・マーケティング・プレゼン等を学び、他の受講生と知り合えた上に、グループワークを通してより親しく繋がれたことも大きな収穫で、経営理念3今でも忘年会などで交流を続けている。市原さんは、翌年にも石垣市商工会主催の創業塾を受講し、経営計画書の作成の仕方や考え方などを学び、自分の想いだけではだめで、それをどうやって形にしていくかが重要であることを知ったのが大きかったという。どちらも一回も休まず出席している。「こんな貴重な勉強ができる機会なのに、全部出席しないともったいないですよ。」と市原さんは笑いながら言う。

3.講演会開催に向けて活動開始

講演会1-2  平成21年10月の創業塾受講期間中に、市原さんは、「ゼロからの創造」講演会の講師を務めてもらうことになる迎里崇雅(むかえさとたかつね)氏の活動のことを耳にし、ぜひ直接話を聞きたいと思い、那覇まで出向いて行ったという。


講演会2  迎里氏は、沖縄県那覇市の青年実業家で、先天性脳性麻痺による四肢機能障害を持ちながらも、有限会社コミットを設立し、ヘルパーステーションやパソコン教室、職業訓練など障がい者へのサポート事業や、ホームページ制作・運営事業などを展開している。
 どんなに厳しい現状があったとしても、それを打破して道を切り拓いてきた迎里氏に感銘を受け、より多くの人に勇気、元気、やる気を与えたいとの想いから迎里氏を講師に招いて講演会をしようと決意し、初めて会ったその日に、迎里氏に「講演会を開催するので講師として石垣島まで来て下さい」とお願いしたという。
講演会3  市原さんは、塾を経営している頃から市民団体で講座を企画していたため、講演会の準備には慣れていたこともあり、講演会に向けて着々と準備を進める。平成22年1月から講演会場を確保し、迎里氏の日程を押さえるとともに障がい者にも便利な宿泊先を手配した。
  集客活動としては、石垣市商工会など各機関に後援を依頼するほか、地方新聞である八重山毎日新聞に随筆を寄稿し、講演会に込める自分の想いを伝えたり、講演会当日にはFMいしがきサンサンラジオにも迎里氏と一緒にゲスト出演している。市長選挙の真っ最中でもあり集客に苦労したが、こうした活動が功を奏し、講演会は120名もの受講者を集め、大成功となった。

4.良いものを皆で分かち合うことが事業目的

 グッドシェアの事業としては、デザイン制作と講演会の企画運営が、たまたま早く形になって実現したが、市原さんとしてはまだまだこれから取り組みたいことがたくさんある。
 グッドシェアの経営理念は、「創造するあなたを『Assist』する」である。「好きなこと、好きなもの、得意なこと、こだわり、想い、経験。そんなだれもが持つ自分らしさをカタチにして、良いものを皆で分ちあい、提供する場を作り出したい」というのが市原さんの想いである。
 市原さんは、教育現場で長く携わってきたことや、心理学を深く研究してきたことを通じて、「人の才能を見抜く」という能力が養われてきた。その能力を活かし、たくさんの人の才能や長所を皆で共有できるようにしていきたいという。自分一人ではできることが限られているが、それぞれが持つ能力で補い合えば、大きな力になるという考え方である。
 市原さんには「障がい者だからといってできることにハンディはない」という信念がある。むしろやり方によっては、障がい者であるということが武器にもなり得るともいう。迎里氏や湖城さんのように、自分の能力を発揮して活躍するような人をもっとたくさん輩出していきたいと考えている。

5.経営理念をより大きな形で実現するために

ワークギャラリー  市原さんの将来の夢は、「自社ビルを持つこと」。ここに障がい者が入居するアパートも設け、職業訓練でお世話になった大浜工房の現施設長と共に、障がい者が自立し、働けるような施設にするという構想である。また、障がい者だけでなく、健常者にも来てもらって、それぞれの才能や長所を活かせるような活動の場にしていきたいと考えている。そのために資金が必要であるため、今後融資を受けるための計画書を作成していくという。
 市原さんは、この4月から八重山毎日新聞のレギュラー執筆者の一人として「日曜随筆」を担当するため、こうした市原さんの想いや活動内容が多くの人に知られるようになるであろう。「創造するあなたを『Assist』する」という経営理念の、より大きな形での実現に向けて、いよいよ本格的に走り出したのである。


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